市場連動型小売電気料金について小売営業ガイドラインに追記予定?
昨年冬の市場価格高騰で影響があった”市場連動型小売り電気料金”について第63回制度設計専門会合で整理がされた。
最終的には、”市場連動型小売電気料金”を提供する小売電気事業者向けの”小売営業ガイドライン(小売営業GL)”に”市場連動型小売電気料金”について 追記される方向となった。
この電力料金は、市場価格のボラティリティがあるため、市場価格が安いときは需要家に経済的にメリットがあるものの。 市場価格が高騰した際は、経済的なデメリットがある。
しかしながら、この経済的なデメリットを十分理解せずに”市場連動型電力プラン”を契約した需要家が多いと思われる。
このプランを選択した需要家は少なからず電力プランについて敏感な層であると思われるが、電気料金が計算される仕組みやリスクについて 理解したいたのだろうか?
個人的には、”投資信託”や”株式購入”と同じく”リスク”はある。それを理解し契約しなかった需要家に問題があったと思う。
”投資信託”や”株式購入”で損害を被ったら国や証券会社などが保証してくれないし、”価格”が”市場”に影響することを踏まえると ”市場連動型小売電気料金”であっても、小売電気事業者や国が保証することはないし、その必要もないと思う。
この制度設計専門会合の報告では、電気料金の分割払いをしている小売電気事業者がいるようであったが、そもそもその必要があるかは疑問だ。
とはいえ、業界関係者でさえ”この冬の市場価格高騰はい異常だ”、”想定外な価格高騰だ”といった話も聞こえている。
一方、海外においても”市場連動型小売電気料金”はあるし、市場価格が高騰したときもあった。今回のように需要家を救済したのだろうか?
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需給調整市場検討小委員会とは?
最近、”VPP事業を検討している”ので相談が多くなっている。そこで関連する市場である”卸電力市場”、”需給調整市場”、”容量市場”、”非化石価値取引市場”があるが 今回は”需給調整市場”を整理したいと思う。
”需給調整市場”は、今年度(2021年4月)に運用が開始されたが、この市場検討の中心とも言える”需給調整市場検討小委員会”についておさらいしたい。
そもそもこの小委員会が設置された背景について理解しておこう。
小委員会資料に委員会開設の背景が記載されているので抜粋しておこう。
"技術的検討や市場運営に係る検討等 、需給調整市場の検討は多岐に亘ることを鑑み 、調整整力等委員会の下に、幅広い有識者を含めた小委員会という形で需給調整市場に特化した委員会を新たに開設することとなった。”
この小委員会で議論されたこと、決まったことは”需給調整市場”に参入する事業者は十分に理解しておく必要がある。 というのも、この市場の本質を理解できるからである。
とは言っても資料は膨大であるので、簡潔にまとめようと思う。
同時同量とは?
”同時同量”
この言葉を聞いたことはありますか?聞いたことがある。知っているという方は読み飛ばしてください。
この”同時同量”ですが、私がエネルギーベンチャーに入社した時に聞いたのですが 説明を聞いてもよく理解できなかったことを覚えています。
この機会に”同時同量”について覚えておいてください。
というも、この”同時同量”は、DR(デマンドレスポンス)、VPP(バーチャルパワープラント)の理解には欠かせないからです。
さて、同時同量を理解するには、”電気の特性”の理解が必要です。
電気は発電、即消費といわれるように”電気は貯められない”という特性があります。
下図のように常に消費分を発電しなければなりません。
このバランスが崩れると停電などになってしまいます。
このように”同時同量”を維持することが求めれれます。
アグリゲーター制度とは?
2022年4月スタートに向け、”アグリゲータ制度”の詳細設計が行われてきました。
2021年6月に”持続可能な電力システム構築小委員会”から ”第二次中間取りまとめ(案)”が出てきました。
そこで、今回は”アグリゲータ制度”について整理しておこうかと思います。
”そもそもアグリゲータ制度ってなんでしょうか?”
アグリゲートとは、”集める”という意味ですね。
アグリゲータは、”集める人、会社”のような意味合いですね。
第二次中間取りまとめ(案)では以下のような定義になっています。
”アグリゲーションビジネスを行う者”と記載しています。
ますますわからなくなりますね(笑)。
続きは、”アグリゲータとは?”という記事を書く予定なので、そちらを読んでください。
需給調整市場とは?
需給調整市場とは?
需給調整市場とは何でしょうか?
”需給”を”調整”する”市場”ということですが、そもそも”需給”とは何でしょうか?
”需給”は、”需要”と”供給”の用語からなっています。
さて、”需要”とは何でしょうか?
”需要”とは、電気の消費を言います。
家庭やオフィスなどで電気を消費しますが
これを電力業界では、”電力需要”とか”電力負荷”と呼びます。
一方、”供給”とは、”電力需要”に対して電気を作り供給することを”供給”と呼びます。
下図にあるように”供給”は”発電”とも言えます。
では、”需給調整”とはどんな意味なのでしょうか?
電力の”需要”と”供給”とを調整することを意味します。
ここでなんで”調整”となっているのでしょうか?
電気は、その性質上、常にバランスを取らなければなりません。バランスを取れなくなると停電などになってしまいます。
この”バランス”をとることを”調整”という用語を使っています。
ですので、”需給調整市場”とは、電気の”需要”と”供給”のバランス(調整)を行うための市場ということになります。
今回は、ざっくりとした解説ですが、もうすこし詳しい説明は別記事で解説したいと思います。
先に需給調整市場について勉強したい方は以下書籍に解説があるので読んでみてください。
そもそも電力業界とは? 電力業界への、就職・転職を考えている方へ
こんにちは、KTです。
エネルギー業界、特に電力業界に就職・転職を考えている方へ参考となる記事を書きます。
業界全体感の理解
まずは、業界の全体感を理解しておきましょう。
電力業界は大きく次のように分類されます。
1. 電気を作る発電事業
2. 電気を送る送配電事業
3. 電気を消費者へ売る小売事業
各事業以外にも関連する多くの企業、事業、仕事がありますが、全てを理解することはとても難しいと思います。なので、まずは全体感を理解することが大切です。
そのためには
全体感を知る書籍を読む
今回は、私がこの業界に入りたてに読んで全体感を理解できた書籍を紹介します。
購入する際は最新版にしましょう。